ウイグル問題「日本の動き鈍い」 中国への非難声明訴え 連盟会長

記者会見したトゥール氏=23日午後、県庁

 日本ウイグル連盟のトゥール・ムハメット会長は23日、県庁で記者会見し、ウイグル問題に対する菅義偉政権の対応について「政府の動きが鈍い」と指摘。日本はアジアで最大の自由民主主義国家だと強調し「米国や欧州と足並みを揃え、中国に同じレベルの非難声明を出してほしい」と求めた。
 茂木敏充外相は5日、中国の王毅外相に香港やウイグルの人権問題について「深刻な懸念」を伝えたが、トゥール氏は「懸念だけで終わることではない」と批判。中国によるウイグル人への人権弾圧は「ジェノサイド(大量虐殺)だ」と指摘した。
 トゥール氏によると、中国の習近平国家主席が建設したウイグル人の強制収容所には300万人から500万人のウイグル人が収容されている。女性は集団で性的暴行を受けて妊娠できない体にされ、児童は強制的に移住させられているという。
 中東の男性と結婚したウイグル人女性が一時帰国した際、中国当局に連行された例もある。トゥール氏は「女性は動物以下の扱いを受けた。米国に亡命したが、医師から命の危険があると言われ子宮を摘出した。母になる権利も中国に奪われたと言っていた」と語った。
 日本ウイグル連盟は2015年に東京で設立され、ウイグル人の国家・東トルキスタンの独立を目指す。
 国連は1948年にジェノサイド条約を定め、特定の人種や民族、宗教の集団構成員に対する大量殺人を禁止している。条約では、集団内の出生防止や児童の強制移住も処罰の対象と定めている。

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