【金波銀波】コロナ禍の意外な効用かも…

 コロナ禍の意外な効用かも知れないが、昨年は国の特別天然記念物イリオモテヤマネコの交通事故がゼロだった。来島者の減少や島民の外出自粛が影響したようだ。もちろんコロナが無事故に貢献したと感謝しているわけではない。人間が行動を抑制するだけで、多くの野生生物が命を失わずに済む事実が改めて浮き彫りになったのだ◆車で公道をさっそうと走っていると、自分が王様になったような万能感がある。ペダルを踏む足にも力がこもる◆だがいったん、徒歩や自転車で外出すると、車の前では自分がいかに無力か痛感する。そばを通り抜ける車にちょっと触れただけで、粉々にされかねないではないか。人間でさえこれほど恐いのだから、道を横断する小さな動物たちがどれほどの危険にさらされているか、察するに余りある◆残念なことに、今年またヤマネコが輪禍の犠牲になった。乱暴な運転をするドライバーはごく一部だと思うが、見過ごせないのは、単にヤマネコが希少動物だからではない。平然と動物を轢くようなドライバーは、いずれ人間も轢きかねないからだ◆弱者の目線になってハンドルを握れば、おのずと何をすべきかが分かる。法定速度を守り、夜明け前や日暮れには特に注意して運転する。何も難しいことではない。

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