石垣市が来年度着工するクリーンセンター(ごみ焼却施設)の基幹改良工事に防衛予算を活用する方針であることが分かった。市内では陸上自衛隊配備工事が進んでおり、市は隊員の移住に伴う将来的なごみ量の増加を考慮し、防衛省に高率補助を要望。今年度の実施設計費には補助金交付が決定した。市財政課によると、市が主要なインフラ整備に防衛予算を活用するのは初めて。
クリーンセンターは1997年に供用開始され、築24年が経過して老朽化が進んでおり、市は基幹改良工事で焼却炉2基を順次更新する。
石垣市では島中央部の平得大俣地区で陸上自衛隊配備に向けた駐屯建設工事が進んでおり、2023年春の完成が有力視されている。駐屯地開設後は500~600人の隊員が配置され、家族も含めると約1000人が島に移住する可能性が高い。市環境課は「ごみ量も増えるはずで、ごみ処理施設も相応の性能が必要になる」と指摘する。
市は今年度、基幹改良工事の実施設計を予定しており、防衛省は4月5日、駐屯地周辺整備事業として、実施設計費3960万円のうち3分の2の補助金交付決定を市に通知した。
基幹改良工事は22年度に着工し、2025年度の完成を目指すスケジュール。総事業費は実施設計作業の中で明らかになるが、市は現時点で約億円と見込んでいる。工事費に関しても防衛予算の活用を引き続き防衛省と調整していく。
工事後、市は現在埋め立て処理している廃プラスチック類もクリーンセンターで焼却処理する。今月には現施設でも廃プラの焼却が可能か確認する実験を行った。実験結果は基幹改良工事の実施設計にも反映させる。
同課によると、クリーンセンターの処理能力は1日1基当たり60㌧で、計120㌧。基幹改良工事後も処理能力は現施設と同じだが、性能が向上し、安定的な焼却が可能になるという。