県と認識相違 苛立つ市 ゴルフ場、8カ月足踏み

 市と県はそれぞれ、国の回答を自らに有利な趣旨と受け止める。市の棚原長武農水部長は市議会6月定例会で砂川利勝市議の一般質問に対し「県は(農振法にとらわれず)総合的な判断をしないといけないという国の方針が示されている」と述べた。
 一方の県は、崎原盛光農水部長が県議会6月議会で大浜一郎県議の一般質問に対し「巨大な農用地が消失するので、近隣の土地利用に影響があるかないか、丁寧に調整することが必要だ」と答弁。従来の姿勢を維持する方針を示した。
 市は不快感を隠さない。小切間元樹企画部長は一般質問で「県の法に対する理解が十分でなく、無駄に労力と時間が費やされ、ひいては市の発展の機会が奪われている」と県を批判した。
■政治決着
 しびれを切らした市は5月、県農水部との事前調整を事実上打ち切り、土地利用調整計画案を知事宛てに提出して同意を依頼。県は関係部局に意見を照会し、疑義事項があれば市に問い合わせる方針を伝えた。これに対し市は、県の同意がさらに遅れることを警戒、「同じ議論は蒸し返さないでほしい」と牽(けん)制する。
 政治決着を図る動きもある。照屋義実副知事は大浜氏の一般質問に対し、中山義隆市長から調整を急ぐよう電話で要請を受けたと明かした。ただ「鋭意、農水部長と協議しながら進めたい」と述べ、踏み込んだ発言は避けた。
 八重山ゴルフ協会の高木健会長は「石垣の冬場の観光のためにゴルフ場は必要。環境に配慮したゴルフ場にすることは当然だ。県も理解してほしい」と話した。

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