新型コロナウイルス感染拡大に伴う沖縄の緊急事態宣言延長を受け、石垣市の中山義隆市長は9日の記者会見で、特例地域として石垣市のみ「まん延防止等重点措置」に移行するよう政府に求める考えを明らかにした。石垣市は現在、県内でも感染拡大が比較的抑制され、ワクチン接種も急ピッチで進んでいる。中山市長は「石垣市は、同じ沖縄県でも沖縄本島と400㌔以上離れている」と指摘。夏場の観光客受け入れは可能との認識を示した。県選出国会議員などを通じて政府に移行を働き掛ける考え。
石垣市は11日の緊急事態宣言終了後「重点措置」への移行を予想し「市民活動の自粛制限緩和と、夏場に向け増えてきている観光客の受け入れ態勢を整える手はずだった」(中山市長)という。
政府が8月22日まで42日間の緊急事態宣言延長を決めたことに、中山市長は「市の経済に大きな打撃を与える。政府に実情を伝え、全県一律の緊急事態宣言は非常に厳しいと理解していただきたい」と危機感をあらわにした。ただ制度上、県内で一地域のみの「重点措置」移行が認められるかは不透明。この件で特に県との調整はしていないという。
一方、感染拡大への警戒も「継続する必要がある」とした。夏休み、旧盆期間の観光客、帰省客受け入れに関し「石垣に来る人は全員、PCR検査を必ず受けてほしい」と要請。政府が来県者に対する無料PCR検査を実施する方針であることに期待感を示した。
緊急事態宣言に伴う休業、時短要請や酒類提供中止に応じている店舗に対しては、宣言延長を受け「『これ以上の営業自粛はできない』と考えている方もいると思う。大変心苦しいが、感染再拡大を回避するために引き続き協力をお願いする」と述べた。
市民に対し、積極的なワクチン接種と酒類提供している店舗の利用自粛を要請。島外への出張、旅行の際は帰島前に検査を受け、帰島後、最低1週間は飲食を伴う会合を自粛することや、2週間の健康観察を行うことなどを呼び掛けた。