新型コロナウイルス集団免疫獲得の目安とされるワクチン接種率70%を目指す石垣市は、今後、カギを握る若年層への働き掛けを強める。18日には、市総合体育館の集団接種会場で、12歳~18歳を対象にした接種を実施し、市の予想を上回る約340人が来場した。反響が大きかったため、今週末も接種を実施する方向で検討している。
市新型コロナワクチン接種対策プロジェクトチームによると18日現在、接種対象者(12歳以上)は約4万2千人で、接種率は約57%。年代別では65歳以上の高齢者が約90%に達したが、35歳~64歳は約60%で、予約も頭打ちの状態という。12歳~34歳は約20%で、今後、この世代の接種率向上が70%達成を大きく左右する。
19歳~34歳への接種券配達は17日ごろから始まった。12歳~18歳は健康福祉センターに申請すれば接種券が交付されるが、18日の一般予約が少ないことから市は17日夕、急きょ子どもたちへの接種を決定。公式ラインやSNSで周知した。
保護者同伴を条件に、来場した12歳~18歳にはその場で接種券を発行。会場では接種開始時刻の午前9時半を前に、既に50人以上の親子が列を作っていた。
担当者は「若者を中心にデマも広がっており、接種率が下がるのではと悩んでいた。今回の実施を通して、接種意欲がある若者が多いと分かり安心した」と述べた。当初は100人程度の来場を予想していたという。
ラインで接種実施を知った石垣磨菜さん(18)は「少しでも感染のリスクが抑えられたらいい。市民の多くに早くワクチンを打ってほしい」と話した。友人たちは「デマに左右されている感じではないが、副作用が怖くて打ちたくないと言っている友だちはいる」という。
会場を視察した中山義隆市長は「集団免疫を獲得できれば、コロナ前の日常生活や経済活動を取り戻すことができる」と呼び掛けた。
市は接種率70%を達成すれば、9月に記念イベントを開催する方針。ワクチンは接種対象者の75%の量を確保している。
市教委は19日、保護者に対し、中高生のワクチン接種を促す通知を出した。市は特に、オープンキャンパスやスポーツ遠征などを控えている児童生徒に対し、積極的な接種を呼び掛けている。