石垣市出身の平良海馬投手が28日、東京五輪の野球競技で躍動した。テレビで観戦した地元関係者からは、平良投手をたたえる声が相次いだ。
平良投手が所属していた少年野球チーム・真喜良サンウェーブで、当時コーチとして同投手を指導した現監督の高良真助(まこと)さん(41)は「見覚えがある顔なのに、海馬の顔が画面に映ると、私も緊張した」と話す。
初球にチェンジアップで空振りを取ると「よし、行ける」と直感したという。「変化球が決まると、彼がいつも通りの調子の証拠」。以降は安心して見られた。
平良投手の火消しが試合の流れを変え、日本代表は逆転勝ち。高良さんは「2点ビハインドだったので、ただ抑えるだけでなく、よく相手を『封じて』くれた。海馬のピッチングが、逆転勝ちにつながった」と絶賛。次の登板に向け「チームだけでなく、日本という国を背負っている。次の試合もいつもの持ち味を見せてほしい」とエールを送った。
八重山商工で平良投手を指導した伊志嶺吉盛元監督(67)は「石垣の子どもが世界を相手に戦っている姿に驚いた」と驚嘆。「本人は堂々としていて、緊張を感じなかった。代表チームにも溶け込んでいる感じだった」と画面越しの印象を語った。
八商工時代は寡黙(かもく)で、指導されたことをしっかりと守る真面目な選手だったという。伊志嶺元監督は「体が強かったので、パワーをつけるよう指導した。2年生の後半からジムに通うなど、本人も精力的に努力していた」と振り返る。
「平良はこれからがスタート。田中(将大)投手などの代表入りしている名選手から、さまざまなことを吸収してほしい」と期待した。
八商工の仲山久美子校長(56)は、平良投手の五輪出場に「世界の架け橋となる人材育成を目指すわが校の校訓を、みごとに実践してくれている」と賛辞を贈る。
同高では、掲示板に平良投手の活躍を報じる新聞が貼られるたびに、生徒が大人数で集まっているという。
仲山校長は「平良君は、在校生の大きな励みになっているのではないか。修了式でも『平良君のように、目標を持って努力すれば夢がかなう』と話した。ぜひ金メダルを獲って、八商工に凱旋(がいせん)してほしい」とエールを送った。