午後9時分ごろ、選対事務所に当選確実の知らせが舞い込んだ。選対関係者や家族とともに何度も抱き合い、涙を浮かべて喜びをかみしめた糸数健一氏。惜敗した前回の選挙から4年。ついに雪辱を果たし「うれしいの一言。喜び以上に、責任の重さを感じている」と語った。
自宅で待機していた糸数氏は与那原繁選対本部長ら支持者と抱き合い、集まった住民らと次々に握手を交わした。目には涙を浮かべていた。
「本当にありがとう。これからが始まりだ。この選挙期間中に訴えてきた町民への約束を果たし、与那国の発展のために、粉骨砕身(ふんこつさいしん)頑張る」と力強く声を張り上げると、支持者は「やったーやったー」と呼応した。
ほかの支持者も集まる選対本部に移動後、糸数氏は「町民の声をしっかり聞く町政にする。当選後ゴタゴタしないためには50票差はつけたかったが、結構いい差がついた。今後は支援者以外にももちろん光を当てて団結する。選挙が終わったらノーサイドだ。広く分け隔てなく、与那国町の発展と全町民のために、スピード感を持って頑張る」とあいさつ。バンザイを繰り返した、
与那原本部長は「外間町政を誰が引き継ぐか読めず、最初に出遅れたところはあったが、後半はずっと手応えを感じていた」と話した。「2~3カ前に立ち上げた青年部らを中心に、ラインやSNSを駆使して情報交換の強化を図ってきた。自衛隊票も4年前に比べて票は多く獲得できたのではないか。糸数氏の地道な誘致活動が実を結んだ」と分析した。
﨑元恒男青年本部長は「25人の青年部員とラインでこまめに戦略を共有し、声掛けできていない人を調査した。僕は何もできていないが、若い人が本当に頑張ってくれた」と笑顔を見せた。
開票日前日の8月7日は、糸数氏を支えてきた妻、廣美(ひろみ)さんの59歳の誕生日。花束を受け取った廣美さんは「ダブルでうれしい。今回の選挙を通して、いろんな人が支えてくれていることがハッキリ分かったれからはまた気持ちを新たに、糸数を陰で支えていく」と安堵の表情を浮かべた。