県内では飲食に起因する新型コロナウイルス感染拡大が続いている。県は飲食店に営業自粛や営業時間短縮を呼び掛けているが、応じない店舗も徐々に増え始めている。石垣市内の飲食店からは「8割の観光客がアルコールを求める。利用者の意識が変わらないことには意味がない」との声が上がる。
県の要請に従わず酒類を提供する市内の居酒屋スタッフは「若者の利用も多い。地元の子は、友だちが県外から来た時にもてなす場所がないと言っていた」と明かした。
酒類を提供している店舗の男性経営者は「売り上げは例年のハイシーズン並みで毎日忙しい。営業再開を知って県外から来てくれるお客さんもいる。今日も予約がいっぱい」と話す。
酒類提供を中止している店舗の男性経営者によると、来店者のほとんどの人が観光客で、アルコール提供がないと分かると8割が帰るという。「経営側よりも、利用する人にアルコール禁止を徹底してもらわない」と苦笑した。
一方、テイクアウトとノンアルコールのみ提供を行う別の地域の店舗の男性経営者は「影でお酒を出す店の存在も知っている。給付金の振り込みは遅く、キャパが大きい店舗はやっていけないと思う」と理解を示した。
美崎町で飲食店を経営する30代オーナーは「連日新規感染者が続き、自粛の意識も薄れてきている。従業員を抱えているところは店を開けているし、空いているお店でも知り合い同士であればマスクもしないことが多い。感染者がこれだけ増えても不安に感じなくなり、緊急事態宣言も延びたら延びたで対応するしかない」と話した。