コロナ禍で活動できない県内中高生陸上選手を激励しようと、石垣島アスリートクラブ(新谷敦史代表理事)は26日夕、オンラインで女子100㍍ハードル日本記録保持者で東京五輪にも出場した寺田明日香選手(31)=ジャパンクリエイト所属=を招き、技術的な指導や困難をどう乗り越えたかなどの質問に応じ、再開を見据えて「今できること」をアドバイスした。
新型コロナウイルス感染拡大を受け、部活動の休止や全国大会の県予選が中止となるなど、目標としてきた大会が相次いで中止に。中止を余儀なくされた選手らを励まそうと同クラブと株式会社ユーグレナが協力して実現した。
寺田選手は北海道出身で高校では100㍍ハードルでインターハイ3連覇を達成するなど陸上選手として活躍。2019年9月には同競技で日本記録を更新し、東京五輪への切符を手にした。
寺田選手は「好きという気持ちが大事」と強調。休みの期間も「次の目標のために何がしたいか、誰の走り方が好きなのかを想像して過ごせると良い」とアドバイスした。
普天間高校の大底桃花さんはハードルの魅力について尋ね、「10台のハードルを1つでも失敗するとリズムが狂って大きくタイムに影響する。正確性が求められるスリリングなところが好き」と語った。
石垣島アスリートクラブ西海凪彩さんはタイムがなかなか伸びない時はどんなことを意識するかを聞き、「ゲーム感覚で楽しんだり一歩一歩の感覚を確かめながら気持ちい良い瞬間を確認してほしい。何か一つでも楽しめると調子を戻すきっかけになる」とアドバイスした。
オンラインミーティングを終え、同クラブの田澤虎太郎君は「寺田選手の意識していることや、自分にも生かせる情報が聞けて良い経験になった。コロナで中学生の大会はないけれど、高校の大会を目指して頑張っていきたい」と感想を述べた。
同クラブの齋藤月さんは「悩んでいることをオリンピアンに聞くことができ、大会に向けてポジティブになり背中を押してもらえた。冬季練習に向けてプラスの気持ちで前向きに強く走りたい」と決意を示した。
オンラインミーティングには県内クラブなどの約120人の陸上関係者が参加した。