ゴルフ場計画に県が同意 予定地の農振除外・転用へ 石垣市

 株式会社ユニマットプレシャスが石垣市で計画しているゴルフ場建設を巡り、県は、市が地域未来投資促進法に基づいて提出していた土地利用調整計画に同意した。市が1日発表した。今後、予定地内の農振除外、農地転用が円滑に進むことが見込まれ、着工に向けた大きな前進になる。中山義隆市長は1日の記者会見で「アフターコロナの観光の目玉、起爆剤になる」とゴルフ場実現に期待した。

 予定地は多くの優良農地を含むため、通常の手続きでは農振除外、農地転用は困難。しかし同法に基づいて策定される土地利用調整計画にゴルフ場建設計画が位置付けられれば、例外として許可が可能になる。
 市は昨年9月、県と共同で同法に基づく基本計画を策定。次いで土地利用調整計画を策定するため、同10月から県と事前調整に入った。県が農振除外に慎重な姿勢を示したため、協議は一時難航したが、市によると8月31日、玉城デニー知事が土地利用調整計画に同意した。
 現在、同法に基づき、ユニマットが地域経済牽引(けんいん)事業計画を県に提出しており、県の承認が得られれば農振除外、農地転用や開発許可に向けた手続きに入る。
 農振除外、農地転用について市は「審査ではなく、手続きに入る」(棚原長武農水部長)としており、改めて審査を行うことはないとの認識を示した。市は迅速に手続きを進めるよう県に求めており、中山市長は「(早期着工を)全力でバックアップしたい」と強調した。
 ユニマットは前勢岳周辺でゴルフ場を含むリゾート施設の建設を計画している。予定地の面積は127・4㌶。ゴルフ場にはゴルフコースのほか、クラブハウス1棟、ゴルフ教室棟1棟(66室)、メンテナンス棟4棟、管理用道路、調整池10カ所を整備する。
 ホテルは10階建て1棟(120室)、9階建て1棟(100室)、5階建て2棟(60室、61室)を予定。ほかにレジデンス5階建て2棟(各60室)、戸建てヴィラ(1階建て58棟)もある。
 着工から2年ほどでゴルフ場とホテル1棟が完成し、先に供用開始となる見込み。事業費はこの時点で100億円超という。
 ゴルフ場建設で冬場の観光客誘致や滞在型観光への転換が進むと見られ、市は地元に237~268億円の経済効果があると見込んでいる。
 ユニマットは地域未来投資促進法の手続きと並行して環境アセス手続きも進めており、今月中の終了を目指している。

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