新庁舎議案を再々提案 野党、無効主張で対決色 事業費のあり方焦点に 石垣市議会

新庁舎建設工事請負契約変更の議案上程に抗議し、記者会見する野党=2日午前、市議会野党控室

 石垣市は2日開会した市議会9月定例会で、臨時議会で2回不同意とされた新庁舎建設工事請負契約金額を変更する議案を再々提案した。野党は、議案の提案は無効だと主張し、対決色を鮮明にした。今議会では新庁舎建設を巡り、建設工事費と設備工事費を増額する計5件の契約変更議案が審議される。事業費のあり方が議論の焦点になりそうだ。

 再々提案となる建設工事請負契約の変更は、契約金額を49億9730万円から59億3299万円に増額する内容。
 中山義隆市長の議案説明に対し、野党の花谷史郎氏は、工事請負契約を変更する議案を上程するには、あらかじめ変更内容を明記した仮契約書を作成する必要があると主張。該当する仮契約書は存在しないことを市当局に確認しており、議案の要件を満たしていないとした。地方自治法を根拠に挙げた。
 平良秀之議長は議案の取り扱いを採決し、与党の賛成多数で総務財政委員会への付託を決めた。常任委員会での議案審議は6日から5日間行われる。
 閉会後、記者会見した野党の宮良操氏は、契約変更の議案について「今回の提案は違法であり、議案として成り立たない。審議に値しない」と指摘。総務財政委でも市を追及する構えを示した。長浜信夫氏は「要件を満たさない議案の提案がまかり通れば、石垣市は他の自治体から冷笑される」と批判した。
 8月の臨時議会で新庁舎建設工事請負契約金額の変更が否決されたことを受け、市は同月末に予定していた新庁舎の引き渡しを受けられなくなり、工期を9月末に延長した。
 だが、野党は「工期延長の契約書がまだ作成されていないため、工期は延長されていない。工事請負契約は8月末で失効し、変更もできなくなった」との見方を示し、契約変更の議案が無効である根拠の一つとしている。
 市総務部は取材に対し、仮契約や工期延長は双方の合意で成立しているため、契約書作成は議案提出の要件ではないと反論。市幹部は「議会審議でも、そのように説明することになる」と話した。
 新庁舎に関連する他の議案4件は、設備工事請負契約の変更で➀給排水・衛生設備工事費を2億75万円から2億2002万円➁空気調和・喚起設備工事費を9億8780万円から10億4579万円➂弱電設備工事費を1億8999万円から2億1934万円➃強電設備工事費を6億6726万円から7億5468万円―に、それぞれ増額する内容。

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