感染減少も「対策継続必要」 緊急宣言 30日まで延長 石垣の集団接種終了

政府は9日、沖縄の緊急事態宣言を30日まで延長した。八重山の新型コロナウイルス感染者数は9月に入り、「第5波」が始まった8月に比べ減少傾向にあるが、感染力が強いデルタ株が依然流行している。医療関係者は「今後も感染対策を継続する必要がある」と訴える。9日には、石垣市の新型ワクチン集団接種が終了した。
 八重山の1日の感染発表数は、8月には平均19・8人だったが、9月は9日現在で11人に下がった。2日以降、1日の感染発表数は8日連続で20人未満となっている。
 ただ竹富町の離島で感染が止まっておらず、ここ数日感染発表がない与那国町も、予断を許さない状況が続く。
 県が9日発表した石垣市の直近1週間の人口10万人当たり新規感染者数は147・29人。全国最悪の沖縄県(199・31人)より低いが、全国平均(75・04人)、宮古島市(82・38人)は大きく上回っている。
 ワクチン接種は順調に進んだ。石垣市によると8日現在の接種率は接種対象者に対し76・2%、全人口に対し65・9%に達した。
 市は当初予定していた集団接種の終了後も追加接種を続けていたが、9日で全日程を終えた。この日、会場の市総合体育館では午後から接種が始まったが、最終日の「駆け込み」で、大勢の市民がひっきりなしに訪れた。
 今後、2回目の接種を予定している人には、各医療機関の個別接種での対応となる。
 ワクチンは一定の効果を上げている。かりゆし病院の調べでは、8月に同病院のPCR検査で判明した感染者289人中、未接種者は208人(72%)に上った。
 感染者には1回接種者が40人(13・8%)、2回接種者が41人(14・2%)いたが、多くが無症状で、感染した場合でも重症化を抑止する効果は見られているという。
 同病院院長で市の医療アドバイザー、境田康二氏は「感染は収束傾向にあるが、未接種者が多く感染している」と指摘。1~2回接種者にも感染者が出ていることに関しては「デルタ株は感染力が強く、接種を受けた人でも濃厚接触者になると感染することがあるようだ。今後も感染対策は継続する必要がある」と話した。

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