非常に強い台風14号は11日午後から12日にかけて八重山地方に接近した。台風は12日午後6時現在、与那国島の北北西約150㌔を時速約20㌔で北に進んだ。中心気圧は955ヘクトパスカルで、中心付近の最大風速は45㍍、最大瞬間風速は60㍍。中心の南東側150㌔以内と北西側75㌔以内は風速25㍍の暴風域。石垣島地方気象台は引き続き、暴風や高波、土砂災害への厳重な警戒を呼び掛けている。
最も台風が接近した与那国町では12日午前4時17分から暴風警報が発令され、午前11時8分には最大瞬間風速45・4㍍を観測。町全域の945世帯1681人に対し、避難指示を出した。警戒レベル4の情報で危険な場所から全員退避するよう呼び掛けた。暴風警報は午後7時48分に解除となり、強風注意報に切り替わった。
浸水や人的被害はなかった。町は祖納の町保健センターと久部良多目的集会施設に避難所を設けたが、避難者はいなかった。
石垣市では11日午後11時に32㍉の雨量を観測し、12日午後5時の時点で24時間の雨量が107㍉に達するなど、非常に激しい雨が降った。石垣市登野城では、午前10時17分に最大週間風速33・2㍍を観測するなど、強風が吹き荒れた。新石垣空港の発着便は全便欠航。また離島と石垣を結ぶ船便も全便欠航となった。
市防災危機管理課によると、12日午前11時15分ごろ、市内大浜の70代男性が台風対策をしていたところ、けがを負った。男性は2階のひさしから転落して、市内の病院に搬送された。
沖縄電力は、12日午前9時に竹富町上原などで最大380戸が、午前10時に石垣市登野城などで一時最大1570戸がそれぞれ停電したと発表した。与那国町でも暴風雨により字与那国で最大150戸が停電した。
12日閉鎖された石垣空港は13日にはオープンの予定。ただし与那国発着便は条件付き運航、または欠航の可能性がある。