石垣市は17日、新型コロナウイルスワクチンの接種証明発行をスタートさせた。飲食店などの集客活動やイベント開催など、今後の行動制限緩和に活用する。中山義隆市長は同日の記者会見で、接種対象人口の8割近くが2回接種済みとなったことを挙げ「全国のモデルケースとして、実証実験のような形で実施したい」と意気込んだ。
接種証明書はスマートフォンと紙のカードで発行する。スマホを使う場合、市のラインなどを通じてワクチン予約システムにアクセスし、接種券番号と生年月日を入力すると、接種したワクチンの種類や接種回数が表示される。
紙のカードは市健康福祉センターで28日から発行申請を受け付ける。スマホ、紙のいずれの接種証明も有効期限は最終接種日から8カ月。
市は今後、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発令されている場合でも、証明書を所持している市民は、認定された感染予防対策店での酒類を含む飲食や、イベント参加ができるよう県に働きかける。
市内の協力店には、感染予防対策店としての認定を取得してもらった上で、証明書発行のためのQRコードが印刷されたステッカーを配布。接種者に対する特典の付与や、感染予防のための店内区域分けなどに利用してもらう。28日から協力店の募集を開始する。
証明書は市民向けに発行するが、観光客は証明書と同様の機能を持つ「あんしん島旅パスポート」を従来通り使用できる。
市の2回接種率は接種対象人口の約77%に達した。2回接種者でも感染事例はあるが、現時点で重症者は出ていない。仮に接種者同士の感染が起きた場合でも重症化リスクは低く、医療機関への負荷は大きく低減すると見られる。市は「全国に先駆けて高い接種率を達成した。今後の経済再開に大きな武器」と期待する。マスク着用などの感染予防対策も引き続き継続していく。