石垣市議会の総務財政委員会(砥板芳行委員長)が17日、市役所で開かれ、新庁舎建設工事請負契約の金額を変更する議案に同意した。賛否は2対2の同数になったが、砥板委員長が同意を決定した。砥板委員長は「この局面では同意せざるを得ない」とした上で「ここに至るまで、かなりの問題や課題があったことは指摘したい」と市に苦言を呈した。議案は21日の最終本会議で採決され、最終的な結論が出る。
総務財政委で与党の石垣亨氏は、新庁舎の屋根に愛知県産赤瓦が使用されたことについて「本当に情けない。県産品に関わってきた人たちのプライドを傷つけている」と市を批判した。
野党の宮良操氏は、建設工事の工期を8月末から9月末に延長する協議書が9月に入って押印されたとして「契約は押印された日から有効だ」と工期延長の無効を主張。野崎雅治契約管財課長は、建設業者から8月中に工期延長の合意を得ていたとして理解を求めた。
与党の米盛初恵氏は「違法性や法的瑕疵(かし)の議論は、この場ではふさわしくない」とした上で「相手方がいるので、速やかに契約変更に応じるべきだ。このままでは契約不履行で損害賠償請求が発生するのではないか」と危惧した。
野党側は、島外作業員の渡航費として計上された交通費や食費などが建設業者を通じ、実際に作業員本人に支給されているのかも確認すべきだと求めた。
採決では与党の2人が同意に賛成、野党の2人が反対し、石垣亨氏は退席した。
新庁舎の設備工事など、他の請負契約金額変更議案4件はいずれも可決された。
野党は一般会計補正予算案の歳出から北部地区の野生牛駆除費約335万円を減額する修正案を提案し、全会一致で可決された。委員からは、野生牛の旧所有者である農業生産法人に費用を全額負担させるべきとの意見が相次いだ。
補正予算に防衛予算を活用した一般廃棄物最終処分場のかさ上げ工事実施設計費が計上されていることを受け、野党はこの歳出も減額する修正案を出したが、賛成少数で否決された。