各陣営、票上積みに躍起 最終盤突入、台風接近に懸念 知事選

街頭で支持を訴える佐喜真氏(右)、玉城氏=27日

 30日投開票の知事選は最終盤を迎えた27日、事実上の一騎打ちとなっている前宜野湾市長の佐喜真淳氏(54)=自民、公明、維新、希望推薦=、前衆院議員の玉城デニー氏(58)の両陣営が訴えを続けた。佐喜真陣営には自民党の小泉進次郎筆頭副幹事長が3度目の来援。石破茂元幹事長は石垣市を訪れた。政党色を出さない運動を展開する玉城陣営には、立憲民主党の枝野幸男代表や国民民主党の玉木雄一郎代表らが応援に入ったが、玉城氏とは別行動で遊説した。
 週末に大型で非常に強い台風24号の接近が予想され、投票や街頭での活動が制約される懸念が高まり、各陣営は票の上積みに躍起だ。

 安倍政権が支援する前宜野湾市長の佐喜真淳氏の陣営は、連日のように閣僚や与党幹部を投入し政権とのパイプをアピールする。
 小泉氏は27日、那覇市で「仕事や働く場をつくり、所得を上げる環境づくりが大事だ」と訴え、佐喜真氏は「教育環境を充実させる。保育料、給食費、医療費の無償化を目指す」と説いた。
 同日は石破茂元幹事長も石垣市で遊説。陣営幹部は「雇用や教育の充実は、政権が支援するからこそ実現できる」と解説する。自民党は国会議員や秘書を大量動員して組織戦を徹底している。
 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対し、翁長雄志知事の後継を自任する前衆院議員の玉城デニー氏は、出身のうるま市や自宅のある沖縄市で街頭演説に臨んだ。前回選で翁長氏が保守票を取り込んで当選した経緯を踏まえ、支援を受ける野党の政党色は極力抑える方針だ。
 終盤からは翁長氏の家族が選挙活動に加わり、「弔い合戦」のイメージ作戦を展開する。陣営幹部は「終盤は大票田で、翁長氏が市長を務めた那覇市に重点を置く」として、無党派層の取り込みを図る。
 玉城氏は、翁長氏の遺志を継ぐと訴え「ユイマールの県政を必ず実現する。自治体外交のソフトパワーで辺野古新基地建設が認められないことをしっかり訴えたい」と強調した。
 知事選には他に元那覇市議の渡口初美氏(83)、元会社員の兼島俊氏(40)も立候補している。

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