変わる風景 暮らしに焦燥感 映画に与那国への思い グランプリの東盛監督

東盛あいか監督(左)と最終審査員の池松壮亮さん(写真提供・ぴあフィルムフェスティバル)

 与那国島の文化や自然を描いた映画「ばちらぬん」で、「第43回ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」の「PFFアワード2021」最高賞のグランプリに輝いた与那国町祖納出身の東盛あいか監督(23)が受賞から一夜明けた25日、八重山日報社のインタビューに応じた。

 「まさかグランプリが取れるなんて。多くのメディアに取り上げてもらい、やっと実感が湧いている」と東盛監督。「ばちらぬん」とは、与那国のことばで「忘れない」を意味する。
 島に一人で住む祖父の老いゆく姿、失われつつある島ことばと文化。変わる風景や暮らしに焦燥感を覚えたことをきっかけに「与那国島とあなたとどこか、つながるのはあなた次第」と作品に思いを込めた。東盛監督自身が主演を務め、撮影には大学の同期、後輩、島の人たちの協力を得た。
 制作期間は約1年。当初は全ての撮影を与那国島で予定していたが、コロナ禍でスタッフの行き来が難しく、島以外も撮影場所に追加した。場所と時と次元を超えて描く、生命力あふれる挑戦的な作品となった。「コロナの影響で一時は制作を諦めた。あの状況だからこそ生まれた作品」と振り返る。
 「ばちらぬん」は、観た人によって感じ方が異なるという。東盛監督は「生命という大きな存在に一人の経験を重ねることで、与那国島の生き物や文化を想像し、何か大切なものを受け取ってもらえたら」とメッセージを贈る。
 2月には2020年度同大学卒業制作の最高賞に当たる学長賞を受賞。10月9日から15日までは、那覇市の桜坂劇場での上映が決まっている。「実は4月に桜坂劇場に突撃訪問して『上映してほしい』と頼んでいた。今回の受賞がきっかけで、より多くの県民に見てもらえることがうれしい」と話す。9日の上映後には舞台あいさつも行うという。
 東盛監督は東京在住。今後は監督・俳優としての道を進むという。現在は同アワードで入賞者に与えられた次回作を全面バックアップする「PFFスカラシップ」に応募予定で、これから企画書の作成に取り組むという。
 同作品は、京都芸術大学映画学科俳優コースの卒業制作として手掛けた。

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