石垣市は29日、繊維商社の豊島株式会社に、海岸に漂着したペットボトル1・5㌧、約8万本分を初出荷した。同社は市と漂着ペットボトルの買い取り契約を結んでおり、ペットボトルはTシャツ、マスクといった衣料品などの素材に再利用される。
石垣島には毎年約2・5㌧のペットボトルが漂着する。市は昨年5月に37㌔分を実験的に出荷したところ、商品化のめどが立ったため、今回の本格的な出荷に至った。
同社はペットボトルに塩分がついていても繊維に再利用できる技術を持っている。市は今後、漂着したペットボトルの埋め立ては行わず、すべて再利用に回す。
この日は石垣市大浜の一般廃棄物最終処分場で、出荷に向けて圧縮されたペットボトルがトラックに積み込まれ、石垣港に出発した。
出荷されたペットボトルは、4~7月にボランティアがビーチクリーンで回収した。
市環境課生活環境係の上原翔平主事(32)は「海を守ることにつながるとともに、ペットボトルを拾ってくれるボランティアの意欲向上につながる。ペットボトル以外でも同じような取り組みができたら」と話した。
同社は市と24年3月までの3年契約を結んでいる。