尖閣への上陸申請不許可 市長「標柱を政府に託す」

 石垣市が字名変更に伴う標柱設置のため政府に申請した上陸申請が不許可とされたことが4日分かった。政府は「尖閣諸島と周辺海域の安定的な維持管理のため、原則として政府関係者を除き尖閣諸島への上陸を認めない」との方針を理由に挙げた。中山義隆市長は同日の取材に「内閣が変わったので、上陸の再申請も視野に新政権と相談したい」とした上で「政府関係者以外の上陸を認めないのなら、標柱を政府に託して設置をお願いしたい」と述べた。

 市によると、政府からは9月28日付で総務省自治行政局市町村課長名の通知があった。
 政府関係者以外の上陸を認めない政府方針を踏まえつつ、字名変更は告示により既に効力が生じていること、標柱の設置まで求めている手続きでないことを挙げ「総合的に勘案した結果、政府として上陸を認めないとの結論になった」としている。
 市は年内をめどに、ユーグレナ石垣港離島ターミナルに尖閣諸島の情報発信拠点を整備する方針で、当面、そこで標柱を展示する。
 尖閣諸島の魚釣島、南小島、北小島、久場島、大正島には1969年に市が設置した標柱が現存するが、風化が進んでいる。新たな標柱は御影石で製作し、改めて5島に設置する方針。製作費約200万円にはふるさと納税を活用した。
 市は昨年10月1日、尖閣諸島の住所地の字名を「登野城」から「登野城尖閣」に変更。新たな字名を表示する標柱を設置する方針を示し、今年9月3日に上陸許可を申請していた。
 情報発信拠点では、政府の領土・主権展示館が今年1月、石垣市で開催した巡回展を参考に、パネル展示などを計画している。

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