コロナ禍で厳しい環境に置かれる日本を元気づけようと、ANAグループは音楽ユニット「TUBE」とコラボし「TUBE×ANAチアアップ2021」を銘打った活動を展開しており、7日には「TUBE」のボーカル・前田亘輝(のぶてる)さんらが7月に世界自然遺産に登録された西表島を訪問。関係者から海洋漂着ごみの現状や、希少生物のロードキル問題などの話を聞いた。
前田さんらは中野海岸で西表島エコツーリズム協会の徳岡春美事務局長、東まりこさんの協力を得て、ビーチクリーン活動を実施。波打ち際に打ち寄せられた砂浜の表面をすくい、マイクロプラスチックがどれだけ砂に含まれるかを見る実験も行った。
ごみが大量に漂着している西表島北東部に位置するユツン海岸も視察。午後には西表野生生物センターを訪問し、希少生物であるイリオモテヤマネコの生態や、保護活動の取り組みを学んだ。
ヤマネコの死因として最も多い交通事故死(ロードキル)を防止するアンダーパスの見学や、道路の視界を遮る草刈り作業も体験。夕方の通勤ドライバーへ減速や注意を呼び掛ける活動も行った。
前田さんは西表島には初の訪問。ビーチクリーン後の取材に「ペットボトルやプラスチック製品が多い。みんなで考えなくてはいけない大きな問題だと思う」と話した。
グループで全国で野外コンサートをする際はビーチクリーン後にライブを開いているという。「国内のみならず世界中の人に世界遺産を見ていただきたい。コロナ禍で寂しくなってしまった一面もあるが、きれいな景色を見て心を癒すなど、心の栄養になれば」と期待した。
ANA営業センター石垣八重山支店長・石垣空港所長の宮脇秀至所長は「人を運ぶだけという時代ではなく、航空会社としても責任ある観光を目指していきたい」と意気込んだ。