付帯意見に「財源確保を」 有識者会議が提言まとめる 美術館併設「次に検討」 新博物館

仮称・新石垣市立八重山博物館建設検討有識者会議の第4回会合が開かれた=29日午後、市民会館中ホール会議室
仮称・新石垣市立八重山博物館建設検討有識者会議の第4回会合が開かれた=29日午後、市民会館中ホール会議室
提言に盛り込まれる基本理念とコンセプト

基本理念 アジア・世界に開かれた八重山博物館
 めざす博物館像 「八重山に生きる」ことへの誇りと郷土への愛着を育む
 活動テーマ 守る・育む・つなぐ―八重山の文化継承・創造拠点―
 サブテーマ 「海・島・空」「自然と人間の共生」「生産・信仰・祭・芸能」「情報の受容と発信」
 新博物館整備の方向性 八重山諸島全体が博物館

 仮称・新石垣市立八重山博物館建設検討有識者会議(石垣博孝会長)の最終回となる第4回会合が29日、市民会館中ホール会議室で開かれ、中山義隆市長に提出する基本理念などの提言をまとめた。付帯意見として、建設費用の財源確保や建設準備室設置を求めることを決めた。過去に委員から要請があった美術館機能の併設に関しては、事務局の八重山博物館が「次に策定する基本計画で検討する」として提言に含むことを見送り、議論された経緯の記述にとどめた。
 付帯意見は翁長政俊委員が提案し①財源の早期確保に向け、市長は国への要請を早急に検討する②検討に当たっては教育委員会と市長部局が密に連携し、迅速性や実現性を高めることに留意する―よう求めた。
 翁長氏は過去の会合でも、一貫して財源確保の必要性を訴えてきた。「最低これくらい提言しないと、また財政がネックになって議論が前に進まなくなる」と懸念した。
 花城良廣委員は「次の段階では(事務局を)市長部局に移すことで、予算の確保、予算計画などがしっかりできてくる」と要望。付帯意見に市長部局での準備室設置を盛り込むべきとの考えを示した。
 事務局が提示した提言原案では美術館機能の併設について言及がなく、花城氏や石垣繁委員が不満を示した。事務局は「美術館の件は、議論があった経緯に触れたい」と記述の一部修正に応じた。
 提言案では、新博物館の名称、立地は基本計画策定段階で検討・決定するとした。施設規模に関しては「少なくとも現博物館(864平方㍍)の3倍程度を基本とする」と明記した。
 事務局によると、1998年の基本計画では6千600平方㍍を想定していたが「今は建築資材単価が上がっており、名護市など、他の博物館施設が3千平方㍍程度で進められている」ことから判断したという。
 基本理念は事務局案が「アジア・太平洋のなかの八重山」だったが、委員の修正意見を受け「アジア・世界に開かれた八重山博物館」とした。
 会合後、石垣安志教育長が会場に姿を見せ「貴重な提言を頂いた。さらに市長に提言し、博物館建設の動きを加速させたい」と述べた。
 提言は11月、中山市長に提出される。

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