51年間論戦、議場にお別れ あす新庁舎落成、ОBら期待 市議会

議場お別れセレモニーで記念撮影する市議、元市議、関係職員ら=10日午後、市議会

 石垣市役所の移転を前に、市議会(平良秀之議長)は10日、現庁舎3階にある議場のお別れセレモニーを開いた。現職市議のほか元市議、元事務局職員らが参加。51年に渡って論戦を繰り広げた議場との別れを惜しんだ。新庁舎の落成式は12日に開かれ、現庁舎での業務は終了する。

 議場お別れセレモニーには元市議16人が招待され、久しぶりに議席に着席。現職市議は後方に設けられた座席から先輩たちの背中を見守った。
 登壇した第19代議長の入嵩西整氏は「この議場で約半世紀、数多くの論議が交わされた。感無量」と振り返り「私もテレビで議会の質疑を聞くことがある。非常によく調査研究している議員の発言を聞くと、意見や信条の違いを超えて応援したくなる。調査なくして発言なしということだ」と現職市議にエールを送った。
 中山義隆市長に向き直り「新庁舎の総工費が108億円と報道されている。なぜ生産性の低い庁舎に大金をかけるのか、市民には納得できない話だ」と指摘。現職さながらに市長を厳しく〝追及〟する場面もあった。
 第18代、21代議長の知念辰憲氏は「新庁舎に移り、箱ものが変わっても中身が伴わないといけない。執行部と議論しながら、市発展のため尽力してほしい」と期待した。
 第15代、17代副議長の砂川俊夫氏は「石垣は東洋のハワイ。私も子や孫と一緒に、これからも元気いっぱい頑張る」と語った。
 議場では、過去の議員たちの様子を撮影した写真などのスライドショーが上映され、参加者がじっくりと見入った。
 中山市長は「昭和、平成、令和と3世代活用されてきた議場ともお別れ。新しい議場で、市民の福祉向上に取り組めることを期待したい」とあいさつした。
 平良議長は、通常の議事の進行にならい「51年間お世話になった議場の閉場に異議はございませんか」と提案。「異議なし」の声に交じって「異議あり」の声も上がり、参加者はどっと沸いた。
 平良議長は「心の中に議場は残っている。全会一致で議場の閉会に承認いただいたので、現議場を閉場します」と宣言し、議場は拍手に包まれた。
 現庁舎は議場を含む中央部が1970年、北側建物が81年、南側建物が88年に完成した。新庁舎でも市議会は3階にある。

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