【金波銀波】「地球は両国が共に発展することを受け入れるのに十分な大きさがある」。…

 「地球は両国が共に発展することを受け入れるのに十分な大きさがある」。日本時間16日の米中首脳会談で、中国の習近平国家主席がバイデン米大統領に持ち掛けたのは、地球の〝分割統治〟だった◆一方で習氏は「イデオロギーで線を引き、陣営に分かれ、集団で対抗すれば世界に災いが降りかかる」と米中対立をエスカレートさせないよう求めた。硬軟織り交ぜた発言で米国の矛先をかわす「したたかさ」も十分だ◆習政権は「中華民族の偉大な復興」を掲げる。中国はかつての途上国から世界第2位の経済大国へと躍進し、米国をも脅かす軍事力を手中にした。独裁政権の正統性を確立するには、同じ民族でありながら民主的な制度を成功させている香港と台湾がじゃまだ。香港を制圧し、次に台湾を狙うのは当然の成り行きだった◆中国が「台湾に付属する島々」と呼ぶ尖閣諸島も、すぐ近くだ。日本から領土を奪うことで、日清戦争以来の日本への復讐(ふくしゅう)を果たし、名実ともにアジアの盟主であることを誇示できる。地球の分割統治を口にするほど自信満々の習氏が、ここまできて台湾・尖閣侵攻の誘惑に抗し切れるだろうか◆習氏は終身の国家指導者として君臨するという。この人物に沖縄が振り回され続ける日は、終わりが見えない。

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