ヘリコプター搭載型巡視船「あさづき」が12日付で第十一管区海上保安本部に配属され、26日午前、石垣港に初入港した。海上保安庁が所有する最大規模の巡視船で、総トン数6500㌧、長さ150㍍、幅17㍍、ヘリコプター最大2機が搭載可能。石垣市の行政区域である尖閣諸島の警備強化や、大規模災害での活躍が期待される。
午前11時ごろ、乗組員64人を乗せて石垣港に着港。乗組員は港で出迎える保安官と互いに敬礼を交わした。一條正浩同区本部長は「大きくて立派な船舶だ。中国船にも十分対応できると確信している。その能力を磨いて活躍してくれることを期待する」と述べた。
同巡視船は40㍉の単装機銃2基、20mm多銃身機銃2基、遠隔監視採証装置、遠隔放水銃、停船命令等表示装置など、最新の設備を装備する。入港後はすぐに訓練を開始し、能力を高めながら警備業務に入るという。
中国は尖閣諸島の領有権を主張し、周辺海域に海警局艦船を常時派遣。領海侵入を常態化させ、尖閣諸島の奪取を試みている。
これに対し海保は12隻の巡視船や航空機、鹿児島海保が所有するあさづき級の大型船舶などを交代させ、24時間体制で警備を続けている。
増田克樹石垣保安部長は「尖閣諸島の警備は国内外で注目されるミッションだ。住民の信頼を得て市長の期待に応えるためにも、巡視船を有効に活用したい」と話した。
同日午後は入港式が開かれ、入港報告や本部長訓示が行われた。