尖閣諸島を守る会代表世話人の仲間均・石垣市議(72)は2日、八重山日報社の取材に応じ、市が国に求めている尖閣諸島への標柱設置について「行政事務の一環として市がやるべきだ。国が待ったをかけるのはおかしい」と改めて必要性を強調した。
市は標柱設置のため、今年9月、国に尖閣諸島への上陸を申請したが、当時の菅義偉政権は認めなかった。岸田文雄首相も前政権の方針を踏襲する意向を示している。
仲間氏は「『領土問題は存在しない』というのが国の立場なのに、市の上陸申請に反対するのはおかしい。政府は『近隣諸国との間で摩擦を生じさせないため』と言うが、中国と対立するリスクを考えていては、標柱設置はできない」と疑問視。政府を動かすため、国民の声を盛り上げる戦略が必要とした。
自身は漁業者として尖閣諸島周辺への出漁を続けている。現状について「海がしけない限り、中国艦船が常駐している。ほとんど中国に乗っ取られていると言っても過言ではない」と指摘。「中国艦船がなぜそこにいるのか。本来は追い出すべきなのに、それができないのがおかしい」と嘆いた。
その上で「主権を呪文のように唱えるだけで、領土が守られた例はない。自国を守る体制をつくることが日本の取るべき道だ」と訴えた。近く尖閣海域に出漁し、漁の模様をインターネットで配信する予定であることも明かした。
仲間氏ら保守系市議の有志は、尖閣諸島への標柱設置を求める新聞広告を掲載する準備を進めており、賛同を募っている。詳細は八重山日報℡0980・82・2403または同社ホームページ。