石垣市は、2022年度から10年間の将来像を示す「第5次石垣市総合計画」の策定作業を進めており、市民、関係機関、有識者などで組織する同計画審議会(浦内克雄会長)は10日の第3回会合で素案を審議した。同計画の最初の5カ年計画である前期基本計画案では、新石垣空港と港湾の機能強化、市街地の再整備と拡大などを盛り込んでいる。
素案では新空港に関し「アジア・太平洋を中心とした国際交流拠点の玄関口、物流拠点」として、滑走路延長や国内線ターミナルの拡張などを進める方針を示した。
東アジアの中心に位置する港湾の地理的特性を活用し、スーパーヨットなどを含め国内外との多様な交流を推進する。
旧空港跡地の土地区画利用促進、道路、防災公園などの整備、美崎町の再開発、シード線以北の市街地拡大方針も記述した。
新空港アクセス道路の早期全面開通、ゴルフ場を含むリゾート・レクリエーション施設整備の推進も明示した。
尖閣諸島に関しては、周辺海域の海洋資源活用に向けた調査の呼び掛け、自然環境の保全などに言及した。
10日の審議会では、港湾整備に関して大松宏明委員が、旅客船運航の拠点となっている離島ターミナルの強化にも取り組むよう求めた。
シード線以北の市街地拡大方針に対しては、石垣信治委員が「農業を頑張っている人たちに混乱がないようにしてほしい」と述べ、土地改良事業や農村整備事業に支障がないことを条件とすべきと主張した。
同計画は10年間の基本構想、5年間ずつの前期、後期基本計画、3年間の実施計画で構成される。
最上位の基本構想案では、まちづくりの基本理念として「いつの世までも 魅力と幸せあふれる 島づくり」、石垣市の将来像として「誰もが自分らしく幸せに暮らせる交流都市いしがき」を掲げた。
目指すまちの姿は①地域の魅力と活気があふれるまち②一人ひとりの個性を尊重し、発揮するまち③安全で快適に生活できるまち④島の自然環境を守り、活かすまち―の4項目とした。
市は今月から基本構想案、前期基本計画案のパブリックコメント(市民意見公募)を行い、公募した意見を反映させた素案を来月以降開かれる審議会の次回会合に提示する予定。
了承されれば、会長が市長に素案を答申。市は来年の3月議会に計画案を上程する。