石垣市の中山義隆市長は15日、尖閣諸島の字名変更に伴う新たな標柱設置について「必ず実現させたい」と述べ、政府への上陸要請を継続する考えを示した。市議会で仲間均氏の一般質問に答えた。仲間氏は「必ず成し遂げるという覚悟で4選に挑むのか」と来年2月の市長選への対応を問い、中山市長は「私もそれに向けて動く決意をしている」と改めて4選出馬の意向を表明した。
市は今年9月3日、政府に標柱設置のための上陸を申請したが、政府は同28日、市に不許可を通知した。市議会で小切間元樹企画部長は「土地の所有者である国の意向に反して強制的に上陸するのは、法令に違反することになる」と述べ、政府の許可なしでは上陸できないとの見解を示した。
仲間氏は「国におうかがいを立てているが、設置するというのはパフォーマンスか」と疑問視。中山市長は「標柱はふるさと納税で作成した。多くの国民から寄付をいただいており、パフォーマンスで作成するものではない」と強調した。
尖閣諸島周辺海域で中国艦船の領海侵入が常態化していることに関し「中国が当たり前のように侵入している。国民全体がこれを許さないという世論を巻き起こす必要がある」と訴えた。
政府が上陸を不許可としたことに対し「どこかの国に忖度(そんたく)したような動きが見られるのは残念だ」と批判。「標柱設置を実現しないことには市の行政区域という言葉が絵空事になってしまう。市長という立場で、現地に設置するまで責任を取りたい」と重ねて上陸に意欲を示した。
仲間氏は「国は地方分権と言っておきながら、いざ行政区域の尖閣になると待ったをかける。どういう国なんだと思う。世論を巻き込んで標柱を設置できる状況をつくらなければならない」と訴えた。
一般質問では、自らが尖閣周辺海域に出漁した際、中国艦船に追尾された様子を示す写真を議場のモニターに映写。「尖閣は中国に侵略されていると言っても過言ではない」と指摘した。