来年2月27日の石垣市長選で、市議会の革新系野党は20日までに、保守系で元市議会議長の知念辰憲氏(67)を擁立する方針を固めた。独自に候補者を人選している市民団体「『チェンジ市政』石垣市民の会」と一本化の調整を進める。市議会中立会派の箕底用一氏(40)は20日、報道陣に対し、出馬への意欲を示した。現職、中山義隆氏(54)はこの日、市民有志から出馬要請を受け、4選への決意を改めて明言した。市長選は年越しを前に、保守系の人物3人が浮上する異例の展開になった。
野党は保革共闘体制の構築を目指し、前回2018年市長選で保守陣営を割って出馬した故・砂川利勝元県議の支持組織と人選作業を進めた。知念氏は現職時代、自民党市議として中山市政を支えたが、退任後は中山氏の多選に反対している。
野党は年内に知念氏擁立を発表したい意向だが、「市民の会」が独自に革新色の強い人物を人選しており、すんなり一本化できるか不透明な情勢。このため、知念氏擁立の正式発表が当初の予定よりずれ込んでいる。
知念氏が出馬する場合、野党のほか、与党を離脱した砥板芳行氏が支持に回る見通し。
箕底氏は20日、報道陣に対し「停滞している八重山の経済や、マンネリ化した行政を立て直したい」と述べ、出馬に向けた準備を始めたと明らかにした。既に「次期石垣市長」と記された名刺を作成し、配布を始めている。
最近、自民党本部の幹部と面会した際「中山市長は出馬できない可能性がある」と伝えられたとして「いざという時に(自分が)出る体制をしっかりつくる」と強調した。中山氏が出馬できなくなる理由は明らかにしなかった。
中山氏が出馬する場合は、支持者と改めて対応を協議する。仮に箕底氏が出馬すれば、同じ会派の後上里厚司氏が支持する意向。
箕底氏の中山氏に関する発言について、自民党石垣市支部幹事長の我喜屋隆次市議は同日、取材に対し「悪質なデマだ」と否定した。
中山氏はこの日、美崎町エリアマネジメント(仲間光代表)から出馬要請を受け「(近く)出馬会見を予定している」と説明した。関係者によると、年内に正式な出馬表明会見を行う予定で日程を調整している。