来年2月27日の石垣市長選で、市議会の革新系野党、「チェンジ市政」石垣市民の会、保守系2グループの計4団体は22日、元市議会議長の知念辰憲氏(67)に出馬を要請した。知念氏は「重く受け止め、早い時期に決断したい」と前向きな姿勢を示した。知念氏が出馬すれば、石垣市では初の保革共闘体制が構築されると見られる。現職の中山義隆氏(54)は4選を目指す意向を固めており、正式に出馬表明する準備を進めている。
知念氏は自民党市議として中山市政を支えたが、退任後は中山氏の4選に反対している。
この日は野党市議や各団体のメンバーが大川公民館に集まり、知念氏にそれぞれ出馬要請書を手渡した。
野党の要請書には8人全員と次呂久成崇県議が署名。「市民をわずかな予算で押さえつけ、自らの評価を高めるためだけの自作自演パフォーマンスを止めるため、市長の仕事は2期までとする」などと記した。
市民の会の要請書では、市民の命と暮らしを守る政治の条件として、石垣島平得大俣地区への自衛隊配備計画の賛否を問う住民投票の実施を盛り込んだ。
保守系グループ「ちゅら島の会」の黒島広正幹事、前回2018年市長選に保守陣営を割って出馬した故・砂川利勝氏の後援会「島づくり会」の平良正樹会長も要請に参加した。両会共通の要請書では「市議会は与党の数の暴力とも思える状態。市長の独裁を擁護し、市民の声は全く届かない」と糾弾した。
知念氏は「長期政権の弊害が今の状況を生んでいる。立場を超えて、このような形で推薦を頂いたが、石垣市が変わる新しい一ページだと感じた」と強調した。
出馬要請には与党を離脱した砥板芳行氏、保守の重鎮で、元市議会議長の入嵩西整氏も加わった。
知念氏は出馬を決断した場合、改めて正式な出馬表明記者会見を開く。
中山氏は年内に正式な出馬表明記者会見を開く予定だが、日程は固まっていない。市議会与党は中山氏支持が多数だが、自民党石垣市支部は現時点で中山氏支持を組織決定していない。
中立会派の保守系市議、箕底用一氏(40)も出馬に意欲を示しており、中山氏側の動きを慎重に見守っている。