野党2氏、候補擁立へ 「反中山」分裂、金城氏も検討 石垣市長選
- 2022/1/11
- 政治
2月27日の石垣市長選で、保守系現職、中山義隆氏(54)の対抗馬として出馬表明した保守系市議の砥板芳行氏(52)に反発する野党市議2人が、新たな候補者を擁立する方針を固めた。これとは別に、農業生産法人代表の金城利憲氏(67)が出馬を検討している。「反中山」勢力は分裂する可能性が強くなった。
野党は8人中4人が砥板氏の擁立に加わったが、他の4人のうち会派「ゆがふ」の花谷史郎氏と内原英聡氏が10日、新たな候補者を擁立すると明らかにした。
花谷氏は「砥板氏は自衛隊配備を推進してきた人。候補者として推す理由は何かという議論が尽くされていない」、内原氏は「支持者に説明がつかない。(砥板氏が政策を変更しても)どこまで本気か見えない」と砥板氏への不信をあらわにした。
花谷、内原氏は、自身も含め新たな候補者を人選しており、告示1カ月前となる今月20日をめどに決める方針という。
花谷氏は石垣島平得大俣地区への陸上自衛隊配備計画に反対する4地区住民と関係が深く、9日に住民らと話し合いを持った上で最終的に候補者擁立を決断した。陸自配備計画に対し、砥板氏より厳しい姿勢で臨む候補を立てる方向と見られる。
内原氏も「陸自配備の白紙撤回や、問題をおざなりにしないという政策に沿った候補者を選ぶ」としている。
砥板氏擁立に加わらなかった他の野党市議2人のうち、前津究氏は「ゆがふ」に合流する方針。長浜信夫氏は近く対応を明らかにする。
砥板陣営は11日に事務所開きする日程を決めた。中山陣営も近く事務所開きする。
野党は保守系グループなどと協力し、保革共闘の候補者として砥板氏の擁立を決めたが、花谷氏ら4人が離脱する形で独自の道を模索していた。
出馬を検討している金城氏は過去に、2012年の衆院選、18年県議補選に出馬した経験がある。取材に対し「ポテンシャルの高い石垣島を世界に発信したい」と話した。近く出馬の可否を判断する。
出馬する場合、市長の任期を2期に制限することや、インターネットで資金集めするクラウドファンディングを利用し、新庁舎の赤瓦を県産に張り替えることなどを訴える。