砥板、内原氏一本化へ あす「リミット」水面下で説得 石垣市長選

 2月27日の石垣市長選で、保革共闘体制に支えられた保守系市議、砥板芳行氏(52)と革新系市議、内原英聡氏(37)の陣営が一本化する見通しであることが21日分かった。砥板氏が石垣島への陸上自衛隊配備に否定的な政策を打ち出したことを受け、陸自配備撤回を主張する内原氏との政策的な隔たりは、ほぼ解消されたとの見方が広がった。砥板陣営は、23日に予定されている内原氏の出馬表明記者会見を「タイムリミット」として水面下で内原氏側への説得を続けており、同日までに一本化を正式発表すると見られる。

 砥板氏は20日、野党の長浜信夫氏との政策協定で、陸上自衛隊配備予定地にある市有地の賃貸契約を更新しないと明記。配備計画そのものに対しても、玉城デニー知事と歩調を合わせ「住民合意のない配備は強行すべきでない」と強調した。自衛隊配備問題で、政策の軸足を完全に革新側へシフトさせた形だ。
 自衛隊配備問題に対する砥板、内原氏のスタンスの差は、両陣営の合流に当たって最大のネックだった。それが解消されたことで、砥板陣営の関係者は「内原氏が出馬する大義が見えにくくなった」と指摘する。
 砥板氏が尖閣諸島問題、ゴルフ場問題で新たに示した立場も従来、内原氏ら革新系野党が訴えてきた内容とほぼ同一になった。
 砥板陣営内部からは「砥板氏がここまで譲歩するとは思わなかった」(野党連絡協議会の宮良操会長)と、一本化をにらんだ砥板氏の決断を高く評価する声が上がる。
 内原陣営の花谷史郎市議は陸自配備周辺の4地区住民と関係が深いが、4地区でも砥板氏支持を容認する声が広がっているという。
 玉城デニー県政も現職、中山義隆氏(54)の市政打倒を目指す立場から、照屋義実副知事を2回に渡り石垣入りさせ、両陣営間の調整役を担った。玉城知事が間に入ることで、出馬を断念することになる当事者の面目も保たれるため、最終的に知事本人が来島する可能性があるとの観測も広がる。
 砥板陣営の次呂久成崇県議は21日、取材に対し「知事が来島する予定はない。来島を要請するかも検討中」と話した。
 内原氏は市街地に事務所を確保しており、出馬に向けたあいさつ回りも始めた。20日の取材に対し花谷氏は「内原が出馬を辞退するということはない」、次呂久県議は「まだ話し合いが続いている」と話すなど、両陣営の関係者は共に一本化交渉の決着を否定している。

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