2月27日の石垣市長選で、保革共闘体制の保守系市議、砥板芳行氏(52)と革新系市議、内原英聡氏(37)らが23日、大川公民館で記者会見し、砥板氏への候補者一本化で合意したことを正式に発表した。両者は、住民合意のない自衛隊配備に「明確に反対する」などと明記した政策協定を締結。記者会見に同席した照屋義実副知事は「協定は玉城デニー知事の政策とも一致している。知事も歓迎している」と述べ、玉城県政として砥板氏支援の意向を明確にした。
砥板陣営には野党市議8人中7人が合流することになった。玉城県政のバックアップも得て、野党は保守系現職、中山義隆氏(54)と対決する体制がほぼ整った。
政策協定は砥板氏と、内原氏が所属する市議会会派「ゆがふ」の名前で締結。自衛隊配備について「予定地である旧ジュマールゴルフ場の違法開発と環境アセス未実施を県において確認し、公表するよう求める」「石垣市の行政区域内での日米共同訓練に反対する」―とした。
砥板氏が他の野党市議と締結した政策協定と同様、平得大俣地区への陸自配備の賛否を問う住民投票の実施と、結果の尊重も盛り込んだ。
玉城県政と連携し、米軍普天間飛行場の辺野古移設強行に反対することも掲げた。
砥板氏は「これからの選挙戦が力強いものになる」と、協定を締結した「ゆがふ」の内原氏、花谷史郎氏の決断を評価。砥板陣営に唯一参加していない野党市議の前津究氏、独自に出馬の意向を示している農業生産法人代表、金城利憲氏(67)にも合流を働き掛ける考えを示した。
出馬の意向を示していた内原氏は「砥板氏の柔軟な考えと歩み寄りの姿勢で、政策の一致が確認された」と断念の理由を説明。協定締結について「この島にとって大きな前進」と強調した。
照屋副知事は「(市長選に)昨年から大きな関心を払ってきた」と述べた上で「玉城知事にも、詳細をそのつど報告している。選挙戦では知事も応援に入る」と明言。砥板氏の支持固めに向け、市長選前にも玉城知事が来島する予定だと報告した。
砥板氏と「ゆがふ」の政策協定は21日締結された。