砥板、中山氏一騎打ちへ 「反現職」勢力結集進む 投票まで1カ月 石垣市長選

 任期満了に伴う2月20日告示の石垣市長選は、27日で投票まで1カ月に迫った。保革共闘に支えられた保守系市議、砥板芳行氏(52)と、4選を目指す現職、中山義隆氏(54)=自民推薦=の一騎打ちとなる構図がほぼ固まった。砥板陣営は保革の枠組みを超えた「反現職」勢力の結集を着々と進めており、まだ態度を明らかにしていない市議らの動向が焦点。中山陣営は早期に自公選挙協力体制を構築し、組織力を生かした戦いを進めたい考えだ。

 選挙戦には当初、2氏のほか革新系市議、内原英聡氏と農業生産法人代表、金城利憲氏が出馬の意向を示していたが、砥板陣営は野党が分裂すれば不利として両氏を説得。内原氏は23日、金城氏は26日にそれぞれ記者会見し、出馬断念と砥板陣営への合流を発表した。
 前回2018年市長選で「反現職」勢力が分裂し、中山氏に敗れた苦い経験を生かした形。現時点で砥板、中山氏以外に立候補の動きはなく、一騎打ちの構図は野党にとって狙い通りの展開と言えそうだ。
 ただ、野党では唯一、前津究氏が砥板氏を支持しないと明言。前津氏は26日、取材に「革新の最後の砦(とりで)として信念を貫く」と強調した。
 市議会の保守系中立会派「未来」の2人も態度を表明していない。「未来」の箕底用一氏は当初、自身も出馬に意欲を示していたことから、中山氏には批判的と見られる。ただ砥板氏が野党と自衛隊配備に否定的な政策協定を締結したため、政策の整合性が問題になるとの指摘もある。
 箕底氏は取材に対し「双方から話を聞いた上で態度を決めたい」と述べるにとどめた。
 公明党の市議2人も現時点で動きはない。中山陣営は24日に自民党の推薦が決まったことを受け、公明党にも推薦を依頼する方向で調整している。
 公明党は沖縄本島で、玉城デニー知事を支持する「オール沖縄」勢力と対立している。砥板氏が玉城県政に接近していることから、従来の市長選同様、中山氏を推薦するとの見方が強い。
 中山氏が自公選挙協力体制を構築した場合、市長選は昨年の衆院選、今年の名護市長選に続き「自公対知事派」の構図になる。市長選は事実上、今秋に行われる知事選の前哨戦と位置づけられることになりそうだ。

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