石垣市の中山義隆市長は1月31日、東海大の調査船で尖閣諸島海域を洋上視察した。中山市長の尖閣視察は初めて。調査中、中国艦船2隻が領海侵入し、調査船と並走する動きを見せたが、海保の巡視船が調査船を警護し、大きなトラブルはなかった。関係者によると中山市長は2月1日に記者会見し、視察した尖閣周辺海域の状況などを説明する予定という。
東海大の調査船「望星丸」(2174㌧)は30日午後5時ごろ石垣港を出港。中山市長のほか関係部長、市議2人、東海大の山田吉彦教授らが乗り込んだ。
市は東海大に尖閣周辺の海洋調査を委託しており、中山市長らの視察は調査に同行する形で行われた。関係者によると、市は尖閣周辺海域の海水データなどを収集。魚釣島で深刻化しているとされるヤギの食害の状況も洋上から確認した。
乗船者によると、中国艦船2隻は「望星丸」を追尾して尖閣周辺の領海に侵入した。ただ「望星丸」を遠巻きにしたまま、危険な接近はしてこなかったという。
松野博一官房長官は同日の記者会見で、中国艦船の動きについて「航行中の日本船舶に並走する動きを見せた」と説明した。「望星丸」周辺では海保の巡視船8隻が警護に当たった。「望星丸」は31日午後4時ごろ、石垣港に帰港した。