27日投開票の石垣市長選は、20日の告示まで1週間に迫った。保革共闘体制に支援される市議、砥板芳行氏(52)と、4期目を目指す現職、中山義隆氏(54)の一騎打ちになる見通しで、水面下で激しい前哨戦が始まっている。3期12年の中山市政に対する評価、自衛隊配備を問う住民投票の是非、ゴルフ場建設のあり方など、主要争点は鮮明。砥板陣営は17日、中山陣営は20日に総決起大会を予定している。
砥板氏は中山市政を支える与党メンバーの中心だったが、新庁舎建設のあり方を疑問視して、たもとを分かった。革新系野党に支えられ、保革共闘体制を構築して選挙戦に臨む。
中山氏は3期目の最後の2年間、コロナ禍で危機的な状況に落ちった経済を立て直すとして4期目に挑戦。過去3回の市長選と同じ自公選挙協力をバネに支持拡大を図る。
公開討論会、政策発表を通じ、2氏の政策の相違も鮮明になっている。
中山氏は3期で培った人脈やネットワークを生かした政策展開を図るとする。砥板氏は多選を批判し、独善的で傲慢な市政運営だとして刷新を訴えている。
平得大俣地区への陸自配備計画に対しては、砥板氏が「反対する市民の憤り、不安、懸念を拾う」と住民投票の実施を表明。中山氏は「国防、安全保障問題は一地方自治体の住民投票にふさわしくない」と市長から議会に住民投票の提案はしない考えを示す。
尖閣諸島問題を巡っては、中山氏が電撃的に現地を洋上視察。さらに標柱設置のため「今後も国に上陸を申請する」と積極的に取り組む意向を明言している。
砥板氏は「導火線に火をつける行為は厳に慎むべきだ」と中山氏の視察を批判。標柱設置は必要としながら、中国との緊張状態を踏まえ、国に上陸は申請しない考え。
ゴルフ場に関しては、中山氏が「自然環境に配慮した建設」を公約に掲げ、ユニマットプレシャスが進める計画を後押し。環境アセスの基準も満たしていると指摘する。
砥板氏は同社の建設計画について「名蔵アンパルの周辺にあり、環境への影響が懸念される」と指摘。市独自の環境調査機関を設置し、計画の大幅見直しを求める。
総決起大会は砥板陣営が告示前の17日午後7時から市民会館大ホールで、中山陣営が告示日の20日午後6時半から真栄里公園で、それぞれ開催する。