27日投開票の石垣市長選は20日告示される。保革共闘体制に支援される前市議の砥板芳行氏(52)、現職で4期目を目指す中山義隆氏(54)=自民、公明推薦=の一騎打ちになる見通し。2氏とも支持層への浸透が進んでおり、告示に向け、街頭での手振りや企業・団体へのあいさつ回りを通じ、無党派層への支持拡大を図っている。新型コロナウイルス禍で支持者を思うように動員できない困難さも抱える。
沖縄では新型コロナの「まん延防止等重点措置」が20日まで適用されており、予定候補者や運動員の活動も、感染防止対策との両立を迫られる中での前哨戦になった。
砥板陣営が17日に開いた総決起大会は、コロナ対策で入場制限が行われる中での開催だった。中山陣営は20日、真栄里公園で総決起大会を開く予定だが、最大動員を図りながら参加者の「3密」回避などの配慮を迫られる。
総決起大会の動員数は通常、陣営の勢いを図るバロメーターとされるが、コロナ対策のため、各陣営の勢いが必ずしも「可視化」されるとは限らず、情勢が読みにくい選挙戦になっている。
従来の市長選は基本的に「保守対革新」の対決だったが、今選挙では初めて「保守対保革共闘」の構図になったことも選挙を複雑化している。
砥板陣営は政党色を出さず、超党派で現職批判勢力の結集を進める。総決起大会では革新支持者、駐屯地建設予定地周辺の住民、保守系支持者らが登壇した。選挙戦では革新票をベースに、保守層の「引きはがし」をどこまで進められるかが課題になる。
中山陣営はこれまでに青年部、女性部、建設業者の集会を開催し、組織の引き締めを図った。過去の市長選で中山氏を後押ししてきた保守中道層の支持に大きな崩れは見えないが、一部にくすぶる多選や市政運営への批判の広がりを警戒する。