任期満了に伴う石垣市長選は20日告示される。保革共闘体制の前市議、砥板芳行氏(52)、4期目を目指す現職、中山義隆氏(54)=自民、公明推薦=による「保革」対「自公」の一騎打ちになる見通し。両陣営は20日朝、それぞれ出発式、出陣式を選対事務所で開き、7日間の選挙選をスタートさせる。中山市政の継続か、野党勢力が市政を奪還するかが最大の焦点。投開票は27日。
告示に向け19日、両陣営には島外からの応援も入り始めた。砥板陣営には伊波洋一参院議員、翁長雄治県議ら、中山陣営には西銘恒三郎沖縄担当相、島尻安伊子衆院議員、金城勉公明党県本部代表らが合流。街頭演説でマイクを握るなど、陣営の雰囲気を盛り上げている。
砥板陣営の出発式では伊波氏ら、中山陣営の出陣式では西銘氏らが応援の弁士を務める予定で、それぞれ保革共闘体制、自公選挙協力体制をアピールする。
一騎打ちの構図が固まって以来、両陣営は街頭での手振りや演説、企業・団体へのあいさつ回り、懇談会などを通じて地道に支持拡大を図ってきた。
総決起大会をクライマックスに選挙戦は事実上の終盤戦に入り、21日からは期日前投票が始まる。両陣営は「毎日が投票日」と呼び掛け、期日前投票にも支持者を動員する構え。
砥板陣営は17日に市民会館大ホールで総決起大会を開き「チェンジ市政」を合言葉に気勢を上げた。中山陣営は20日の総決起大会の会場を真栄里公園からホテルに変更した。
今選挙は秋の知事選の前哨戦でもあり、再選出馬が予想される玉城デニー知事は砥板氏、県政奪還を目指す自公政権は中山氏をバックアップしている。ただ砥板氏は「オール沖縄」は名乗らず、超党派の支援を呼び掛ける考え。
砥板氏は市政刷新を掲げ、学校給食費の完全無償化などを目玉政策に、陸上自衛隊配備計画の賛否を問う住民投票の実施、ゴルフ場建設計画の見直しなどを訴えている。
中山氏はコロナ禍からの脱却と景気回復を最優先に、進学祝い金制度の創設などを打ち出した。住民投票の市長提案は否定し、ゴルフ場建設は推進している。
2議席を争う見通しの市議補選には中山陣営から伊良部和摩氏(48)、砥板陣営から大道夏代氏(53)が出馬表明しており、無投票の公算。