4月12日告示、同17日投票の竹富町長選で、自民党町議団から出馬要請を受けている町議会議長の新田長男氏(62)は近く出馬の是非を判断する意向だ。地元竹富島でも賛否両論があり、慎重に検討していると見られる。出馬する場合は保守系町議5人が支持に回る見通し。出馬の意向を固めている元町職員の前泊正人氏(44)は選挙態勢の構築を進めており、現時点で町議4人の支持を取りつけた。両氏の対決になった場合、町議を二分する激戦が予想される。
新田氏は後援会の意見を聞いて出馬の是非を判断する考えだが、島内の事情で会合が延期され、最終的な判断を保留している。新田氏自身は出馬に前向きな姿勢だが、関係者によると地元でも慎重論がある。現在、後援会の日程を再調整しているという。
新田氏を含む自民党竹富町支部(那根操支部長)の町議7人は14日夜に会合を開き、新田氏を候補者として推す方針を固めた。ただ大久研一氏(小浜)は会合に参加したものの、支持者の意見を聞くとして最終的な判断を持ち越した。
公明党の三盛克美氏(西表西部)も、候補者が出そろわない段階では態度を表明できないとしている。
昨年の町議会9月定例会では大久氏、三盛氏、宮良道子氏(黒島)に対して辞職勧告決議が行われた。3氏の支持者の間では、議長の立場で決議に関与した新田氏に対し、批判的な声が出ている。
宮良氏、山盛力氏(西表東部)、大浜修氏(同)、渡久山康秀氏(西表西部)の4人は前泊氏支持を決めた。このうち山盛氏は自民党竹富町支部のメンバーだが、新田氏の擁立を決めた会合には加わっていない。「保守中道で前町政に反対する立場」としている。
前泊氏は竹富島、西表島の有力者に後援会幹部就任を打診するなど、先行して出馬の準備を進める。今後、出馬表明記者会見なども予定しているが、現時点で日程は「調整中」としている。
町長選は西大舛高旬前町長が海底送水管事業に絡む汚職で逮捕され、辞職したことを受けて行われる。2020年の町長選では前町長が無投票で再選されていた。