米原キャンプ場休止 住宅地隣接でトラブル懸念 指定管理者の不祥事も 石垣市

石垣市が米原キャンプ場を4月1日で休止する方針を固めたことが23日分かった。指定管理者の不祥事が相次いだことが直接的な理由だが、住宅地に隣接する立地のためトラブルが起きやすく、地域住民からキャンプ場としての運用継続に否定的な声が上がっていた。市は今後、直営か業務委託でキャンプ場を管理する。
米原キャンプ場は株式会社が指定管理者として管理しているが、昨年4月、国立公園区域内であるにもかかわらず同社職員が敷地内の森林を環境省に無断で伐採。同年5月には職員が新型コロナウイルスに感染して出勤できなくなり、業務が滞ったにもかかわらず、市に報告を怠った。
同年7月には、新型コロナの影響でキャンプ場が休止したにもかかわず、職員がキャンプ場内で飲食や花火を行い、SNSで拡散され物議をかもした。
これを受け市は同年12月、新年度以降の同社の指定管理を取り消すことを決め、今年3月17日、同社に通知した。
今年2月と3月には米原地区で住民との懇談会を開き、キャンプ場の今後について意見交換。施設管理課によると、住民からは「『住居に隣接しているキャンプ場の運営は限界にきている。公園に変更して子供の遊ぶ場所を確保してほしい』という要請があった」(名嘉地長三課長)という。
23日の市議会一般質問では長山家康氏がこの件を取り上げた。知念永一郎建設部長は「(キャンプ場として)引き続き運営するなら周辺への影響も考慮し『花火や音楽を控える』『声は上げない』『飲酒は禁止』などの運用も考えられるが、キャンプ場利用を目的としている施設に、これらの制限が適切か。制限の徹底を図るのが難しい」と説明。
その上で「キャンプ場が住宅地に隣接して立地していることが弊害を生じさせている。地域だけでなく利用者にも混乱を招く恐れがあることから、キャンプ場としての利用を中止した」と説明した。
米原キャンプ場の利用期間は4月~12月となっており、現在はオフシーズンだが、4月のオープンは見送る。ただ従来通りビーチは利用でき、トイレとシャワーも使える。
長山氏は「米原キャンプの状況には、さまざまな市民からクレームが届いていた。休止はやむを得ない」と市の判断に理解を示した。一方で「アフターコロナを考えても、米原キャンプ場は観光コンテンツとして重要。単に休止することは観光にマイナスだ。いかにいい形で再開させるか、地域住民と調整しながら進める必要がある」とも指摘した。
市内にはキャンプ場が2カ所あり、市によると19年度の利用者は米原キャンプ場1071人。伊野田キャンプ場3675人。

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