元五輪選手が指導者に 水泳教室コーチの高橋美帆さん 「場所も人々も温かく」

選手コースの皆さん(左から美崎伊緒里君、平良幸翼君、足立君)=23日、海邦スポーツクラブ

 五輪に2度の出場経験がある元水泳選手の高橋美帆さん(29)=石垣=がこのほど、石垣市新川の水泳教室「海邦スポーツクラブ」のコーチに就任した。五輪選手が島内で指導者となる例は非常に珍しく、注目を集めている。

 高橋さんは京都府生まれ。学生時代から国内外の数々の大会で活躍したほか、2012年のロンドン五輪、2016年のリオ五輪に2大会連続で出場。昨年の東京五輪選考会をもって引退した。
 日本の水泳界をけん引し続けた水泳人生だった。
 引退後は「のんびり過ごしていた」(本人談)ところ、知人から「石垣島でコーチにならないか」と誘いを受けた。
 高橋さんは「様子を見て、1カ月くらいの短期ならいいかな」とオファーを承諾。昨年11月に石垣島に移住した。
 最初は臨時コーチだったが、高橋さんのコーチ技術や無二の実績が評価され、どんどん契約期間が伸びた。
 今では期間が無期限となったうえ、4月から新たに設置された選手コースの指導者を任された。
 「場所も人々も温かくて、次第に島が大好きになった」と高橋さん。用が済んだら早く帰ろうと思う当初の気持ちは次第に消えていった。
 選手コースでは3人の生徒を育てる。クロール、バタフライなどの4泳法をきれいなフォームで泳げるよう本格的な指導を行う。
 プロ直伝の技術を学んだ選手コースの1人、足立健君(11)=八島小6年=は、高橋さんの指導を受け「タイムがどんどん縮んだ」という。3人は「優しくて指導も分かりやすい。高橋コーチでよかった」と声をそろえる。
 練習中は、高橋さんも子どもたちも水泳を全力で楽しみ、終始なごやかな空気が流れる。高橋さんの優しく明るい人柄のおかげだ。
 高橋さんのコーチとしての目標は「水泳の楽しさを知ってもらうこと」。海邦スポーツクラブの2階に完成する予定のジムでトレーニングを重ね、今後は石垣島トライアスロンに挑戦する。
 「ここに来てよかった」と、高橋さんは笑顔で話した。第二の人生は始まったばかりだ。 

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