竹富町が建設した石垣市美崎町の新庁舎が2日、供用開始された。4月に就任した前泊正人町長は初の人事異動も行い、39人の町職員に辞令を交付。前泊町政下の新体制が、新庁舎の開庁に合わせて本格スタートした。
この日は午前8時から前泊町長以下、職員総出で開庁式を執り行い、新規採用職員4人が新庁舎前に町旗を掲揚した。
前泊町長は「庁舎が新しくなった。これを機に改めて町民が何を求めているのかを考え、情報共有の徹底を行なっていく」と決意表明。前町長の逮捕と辞職を踏まえ、不祥事の再発防止を強調した。
職員らは各部署に入り、1カ月かけて新庁舎に配備した電話や機器が問題なく使用できるかを確認しながら、真新しいオフィスで業務を開始した
町民課(新盛勝一課長)には、各種申請の案内を行う「総合窓口」が新設され、訪れた町民に対応した。
新盛課長は「業務がスムーズに1つの建物内で行えるようになった。職員たちも広い庁舎で伸び伸びと仕事ができそうだ。今後も市民サービスの向上に努める」と語った。
同課の新垣清美さん(54)は「オフィスに入った瞬間、とてもきれいな建物だと感動した。心機一転業務に励む」と決意を新たにした。
続く辞令交付式で前泊町長は「行政のプロとして責任感と自覚を持ち、業務に邁進(まいしん)してほしい。町民の皆さんと町を作っていく思いで、共に頑張りましょう」と激励し、職員に辞令を手渡した。
佐事安弘教育長は「慣れない部署だからと消極的にならずに、全員が存分に力を発揮する職場にしよう」と呼び掛けた。
本来であれば4月に辞令が交付されるが、今年は新町長の誕生を待ったため、約1カ月遅れとなった。町の職員数は159人で、今年度は異動率26%。
新庁舎は5階建てで、延べ床面積は旧庁舎の約2・4倍となる4531・33平方㍍。議場や主に町民が宿泊できる簡易宿泊施設「ツマベニ」、民間事業者が運営する売店なども入っている。このほか、エレベーターや身障者用トイレを設置するなど、バリアフリーにも対応する。