石垣市議会の市役所新庁舎建設工事請負契約に関する調査特別委員会(百条委員会、花谷史郎委員長)の第12回会合が13日、市役所で開かれ、審議を事実上終結させ、6月議会で最終報告を行う方針を与党の賛成多数で決めた。与党は「議論は出尽くした」と主張したが、野党は「まだ解決していない問題がある」などと反発。与野党対立が解消されないまま最終報告の取りまとめに入る。
与党は、百条委設置のきっかけになったテーマが➀工事請負契約の変更協議書に収入印紙が添付されていなかったことの違法性➁新庁舎屋根の赤瓦を巡る仮処分で工期が遅れた可能性―だったと指摘。これまでの審議でいずれも否定され、問題はなかったとの認識を示した。
中山義隆市長や担当課長の招致でも問題は見い出せなかったとして「百条委はもう役割を果たしたのではないか」(友寄永三氏)と審議の終結を求めた。
与党の石垣達也氏は、百条委の議論が当初設定したテーマからそれ、議論が混迷に向かっているとして「百条委で何が分かって何が分からなかったのか、それすらも分からない状況になってしまう。いったんまとめて報告を行うべきだ」と訴えた。
野党の宮良操氏は、赤瓦が県外産に変更された経緯に関する文書が作成されていないことに関し「決裁文書の根拠がない手続きが行われている。行政のひずみを調査するのが我々の責任であり、徹底調査すべきだ」と強調。建物の受注業者である大成建設の担当者を招致し、さらに審議を続けるようよう求めた。内原英聡氏も「このままでは市民に説明ができない」と議論の継続を要求した。
花谷委員長は、赤瓦産地の変更に関する市と業者側の言い分が食い違っているとして「(百条委を)閉めるのはそぐわない」と難色を示したが、与党側は採決を要求。採決の結果、4対3で審議の終結が決まった。
野党は6月議会での花谷委員長の報告を中間報告とし、9月の改選まで百条委を存置することも求めたが、与党は応じず、6月議会での報告は最終報告の位置づけになった。
最終報告は6月議会の最終本会議で行われる見通し。百条委の次回会合は30日に開かれ、最終報告の内容に関して議論する。
百条委で判明した事実の評価に関し、与野党の間で認識の隔たりがあることから、取りまとめが難航する可能性もある。