来島者や地域住民が仕事場として気軽に利用できるテレワーク施設「チャレンジ」が27日、石垣市登野城でオープンする。株式会社カヤックゼロ(本社石垣市大浜、柳澤大輔代表取締役)が国、市の支援を受けて整備。島にいながら都会と同様に働ける環境づくりを進め、将来的な企業誘致や移住促進を目指す。
「チャレンジ」は2018年に閉店した同名の店舗跡でオープン。1階部分の約485・95平方㍍をカヤックゼロが借り受け、国の地方創生テレワーク交付金などを改修費に充てた。
さまざまな利用者が勤務場所を共用するコワーキングスペースとなる。県外企業などが仕事と休暇を兼ねる「ワーケーション」の場として利用することなどを想定する。
同施設のホームページによると、施錠可能な半個室仕様の「ブース席」8室、オープンな空間で利用できる「固定席」14席、すべての利用者が使える「フリー席」47席、ウェブ会議用設備を完備した会議室2室がある。
ミニステージと座席があるイベントスペース、食事ができるスペース、屋根がある半外空間のテラススペースも併設される。それぞれ設定された料金を支払うことで利用できる。
市は昨年、地方創生テレワーク交付金の交付決定を受け、「ぱいぬしまワーク拠点整備支援事業」と銘打って事業者を公募。プロポーザル方式でカヤックゼロを選定した。
市企画政策課によると、同社は施設改修などにかかる事業費約1億1千万円のうち、4分の3を交付金でまかなった。
残る4分の1に関しては市が単独で補助金を支出したが、国の臨時交付金や企業版ふるさと納税を財源に充てたため、実質的に市の持ち出しはゼロだという。
市は事業者の公募に当たり、2024年度末をめどに➀県外企業6社を含む10社以上の利用➁県外の1万人以上を含む年間延べ2万人以上の利用➂施設利用をきっかけに10人以上が移住―という目標を掲げた。
同課の担当者は「テレワークを活用することで、島で暮らしながら都会と同じ仕事ができる。離島という環境でできる新しい働き方を提案してほしい」と期待した。
26日には午後5時半からオープニングセレモニーが予定されている。