石垣市議会(平良秀之議長)6月定例会は一般質問4日目の16日、井上美智子、宮良操、長山家康、内原英聡の4氏が登壇した。今後の観光戦略に関し中山義隆市長は「国際観光都市を目指す中、富裕層を呼び込み、滞在日数を伸ばすことは必要」と述べ、海外の富裕層誘致に向け、ラグジュアリーホテル(最高級ホテル)誘致やプライベートジェットが駐機できる体制整備に前向きな姿勢を示した。
長山氏は「石垣島がどのように誘客を行うか戦略的に考えないといけない。世界の富裕層を取り込む中で地域が活性化する」と指摘。ラグジュアリーホテルの候補地として南ぬ浜町や旧庁舎跡地を挙げた。石垣空港でのプライベートジェット受け入れ体制整備も求めた。
中山市長は「付加価値の高い高級リゾートとして市の価値を高める」と同調。「高級リゾート、プライベートジェットの空港施設は必要。国、県にも働き掛け、石垣島の価値をさらに高めていきたい」と意欲を見せた。
井上氏は、4月に行われた市主催の防災訓練を米軍が視察した件の経緯をただした。
市によると、自衛隊を通じて米軍から訓練への参加要請があったが、断った。その後、再び自衛隊を通じて米軍が訓練の視察を打診し、市は自衛隊が対応する条件で認めた。
中山市長は「万一の災害時は市民の生命財産を守るため、あらゆる手段を使うべきだ。自分たちの手に負えない災害があった場合は自衛隊、米軍であっても支援をお願いしたい」と答弁。
県が主催する防災訓練や他市町村の訓練にも米軍が参加しているとして、今後の防災訓練に米軍が参加する可能性を否定しなかった。
井上氏は「沖縄では海兵隊の事故や犯罪が絶えない。(米軍の視察は)石垣島で共同訓練を開始させることが目的だ」と指摘。「最初の一歩にならないよう、今後はちゃんと拒否してほしい」と訴えた。
内原氏は防災訓練の際、中山市長が出張で不在だったことについて「市長には強い危機意識を持ってほしい。この時の出張は訓練より重要だったのか」とただした。
中山市長は訓練当日、友好都市である岩手県北上市の市制30周年記念式典に出席していたと説明。石垣市の70周年記念式典には北上市長が出席しており、儀礼として出席は当然だと強調した。
訓練には副市長が市長代理を務めており、出張先で訓練終了の報告は受けたとして「防災訓練でも私がすべて指示を出しているわけではない。万一の際、私がいない場合もある」と述べた。