現職伊波氏が再選 自公古謝氏を大接戦で破る 辺野古反対、玉城知事の再選に弾み 参院選

当選を決め、バンザイ三唱する伊波氏(中央)と支持者=11日午前零時過ぎ、那覇市の教育福祉会館

 参院選が10日投開票され、沖縄選挙区は玉城デニー知事らが支援する現職の伊波洋一氏(70)が約27万4000票を獲得、自民公認の新人、古謝玄太氏(38)=公明推薦を大接戦の末、約3000票の僅差で破り、再選を果たした。米軍普天間飛行の名護市辺野古移設に反対する「オール沖縄」勢力は主要選挙での連敗が止まり、9月の知事選で玉城知事の再選に道筋をつけた形になった。

 伊波氏は「オール沖縄」勢力を構成する革新勢力に加え、辺野古移設に反対する保守中道層にもアピール。新型コロナウイルス禍で経済復興や福祉政策に関心が集中する中、新たに消費減税などの政策も掲げ、支持のすそ野を広げた。
 今年に入り、名護、南城、石垣、沖縄の各市長選で「オール沖縄」勢力が連敗する中、陣営は危機感をバネに票の掘り起こしを進め、古謝氏の猛追をかわした。
 古謝氏は公明が比例で擁立した窪田哲也氏とのセット戦術を展開。38歳の若さ、官僚や民間企業勤務などの経験をアピールしたものの、知名度不足が響き、保守中道層以外に無党派層への浸透が進まなかった。
 「オール沖縄」勢力は参院の2議席独占を今後も続けることになる。玉城知事は辺野古移設に反対する県民の民意が確認されたとして、知事選でも移設反対の訴えを強める構えだ。
 自公は政治未経験の新人を擁立し、辺野古移設容認を初めて政策に位置付けて参院の議席奪還を図ったが果たせず、知事選に向け態勢立て直しを迫られる。
 投票率は50・56%で、前回2019年参院選に比べ1・56ポイント上回った。

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