石垣島四カ字の新川字会(唐眞盛充会長)は20日、豊年祭のムラプールを執り行い、五穀豊穣と字民の無病息災を祈願した。
新型コロナウイルス感染拡大の中。行事を旗頭と新川巻踊りの歌「ヤーラーヨー」などの奉納に限定し、参加者にPCR検査を義務付けるなど、感染防止対策に配慮した。恒例の綱引きや奉納芸能は行わなかった。
旗頭の奉納では、持ち手の字民約20人が、新川公民館を起点として、巨大な旗頭を持ちながら新川地区内を行進。「サーサーサー」の掛け声とともに、力強く旗頭を上下させると、沿道に集まった観客からは拍手が巻き起こった。
旗頭は長崎御嶽、真乙姥(マイツバ)御嶽にそれぞれ奉納され、唐眞会長宅にも立ち寄り、最後は新川公民館に戻った。
持ち手のリーダーを務めた請盛滝典さん(40)は「旗頭が動いただけでも、この行事の意義はある。字新川の受け継がれてきた象徴を、しっかりと継承していきたい」と話した。
真乙姥御嶽から会長宅に向かう際、持ち手が暑さと疲労で周辺に座り込んでしまう光景も見られたが、休憩するとすぐに復活。力強い掛け声のもと、旗頭を持ち上げた。
唐眞会長は「開催が危ぶまれた中で、実施できてよかったと思う。伝統が継承された」と拍手。「ぜひ来年は通常通り行いたい」と意欲を見せた。
豊年祭は23日に平得で、26日に大浜で、それぞれ予定されている。