22日公表された2022年版防衛白書では、石垣市の尖閣諸島周辺で領海侵入を繰り返すなど、活動を活発化させる中国について「一方的な現状変更の試みを執拗に継続しており、強く懸念される状況」と指摘した。中国による台湾侵攻の可能性をにらみ、台湾から約100㌔の与那国島にある与那国駐屯地の重要性も強調した。
尖閣諸島を含む日本周辺での中国軍の活動に関し「拡大・活発化させており、行動を一方的にエスカレートさせる事案も見られる」と懸念。中国軍が太平洋進出の「常態化」を企図していると分析した。
台湾に関しては「自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった基本的価値を共有する極めて重要なパートナー」と位置付け、中台間の問題が対話により平和的に解決されることの重要性を主張した。
与那国島―台湾間は中国海軍の艦艇が東シナ海と太平洋間を航行する経路の一つとなっている。白書では与那国駐屯地について「各種兆候を早期に察知することでわが国の防衛に極めて重要な役割を果たしている」と解説した。
米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に関しては、同飛行場の危険性除去や跡地利用につながるメリットを挙げ「(同飛行場の)継続的な使用を回避するための唯一の解決策」と改めて指摘した。