市議会、中国に厳重抗議 ミサイル発射「容認できず」 石垣市

 中国が台湾周辺で実施した軍事演習で、波照間島や与那国島周辺に弾道ミサイルを発射したことを受け、石垣市議会(平良秀之議長)は8日の臨時会で、中国に厳重抗議する決議を全会一致で可決した。日本政府に対し、住民が安全に生活できるよう対策を講じるよう求める意見書も可決した。

 抗議決議では、中国の軍事演習やミサイル発射について、石垣市を含む地域や国際社会の平和と安定に「深刻な影響を与える」と危惧。日本EEZへのミサイル着弾は「八重山圏域の漁業者の安全な操業を脅かし、著しく阻害する」と批判した。
 中国外務省の報道官が、日本EEZへのミサイル着弾について「演習区域に日本のEEZが含まれるという見解は存在しない」と述べたことに関し「中国の権利のみを主張し、他国に対して権利を認めない一方的な発言。中国のこうした一連の行動は断じて容認できない」と糾弾した。
 日本政府に対する意見書では、日本として明確、厳重に抗議するとともに、安全保障体制の強化を図ることなどを求めた。
 宛て先は首相、外相など。抗議決議、意見書とも提案者は石川勇作氏。
 臨時会の招集は議員の4分の1以上で請求できる。中国のミサイル発射を受け保守系市議9人が5日、中山義隆市長に招集を請求した。
 中国の軍事演習では、弾道ミサイル5発が波照間島南西のEEZ内に着弾。1発が与那国島北北西のEEZ外に落下した。与那国島では町漁協が漁業者に操業自粛を呼び掛ける事態になった。

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