「漁業者の安全操業脅かす」 与那国で抗議決議

 与那国町議会(崎元俊男議長)は9日、臨時会を開催し、中国による軍事演習に抗議する決議と政府と県に対策を要請する意見書を全会一致で可決した。
 抗議決議では、中国による沖縄周辺海域での軍事演習の実施及び日本の排他的経済水域(EEZ)に向けた弾道ミサイルの発射に対し、厳重に抗議。軍事ではなく外交交渉で解決するよう強く要求した。
 意見書では、政府と沖縄県は中国に明確かつ厳重に抗議し安全保障の強化、平和的な交渉の実施、地域住民の生命と財産を保護し情報提供を提供するよう求めた。
 抗議決議と意見書では、中国が発射した弾道ミサイルが我が国のEEZ内に落下したことで、地域住民や漁業関係者に大きな不安を与えたと指摘。町漁協は8日まで漁の自粛要請を行い、県漁業協同組合も加盟する全36漁業組合に注意喚起及び台湾周辺での操業自粛を呼び掛けた。
 中国の行動は沖縄や日本の安全保障、国民の安全に関わる重大な問題で、国際社会の平和と安定に深刻な影響を与えると強調。EEZ内への弾道ミサイル着弾は八重山圏域の漁業者の安全な操業を脅かすと指摘した。
 中国の報道官が「演習区域に日本のEEZは含まれない」との趣旨を4日の会見で述べたと指摘。中国の権利のみを主張し他国に対して権利を求めない一方的な発言で断じて容認できないとした。
 抗議決議は中国国家主席、同外交部長(外相)、同駐日大使宛て。意見書は首相、外相、官房長官、沖縄担当相宛て。

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